こっち向けよ





「…おもしろくねーよ。」



まったくおもしろくない。



舞と俺じゃ報われないのも



舞の隣さえも奪われたことも



奪われることに抵抗しなかった自分も



彼氏をつくって良いって知らされなかったことも



いつの間にか人の物になった舞も



転校して来やがった時任も



「そんなに落ち込むなよ…」



優しい木村の声がする。



「俺は落ち込まねー主義なんだよ。」



「そっスか…」





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