こっち向けよ





「愁?」



「ッ…なに?」



落ち着かせようとしても、コイツの声一つで胸が高鳴る。



「明日から三年生だね~」



ふにゃんと笑う。



可愛いなこのやろ―



「あぁ…進級出来てよかったな、舞。」



下の名前を呼び捨てで呼ぶ度、他の奴との違いに優越感に浸る。



「本当だよね~…って!二年は赤点一個も取ってないよ!」



「そーだっけ?」



鼻で笑って、怒る舞の可愛さにニヤケてる顔を誤魔化す。





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