こっち向けよ
「まったくっ!赤点は一年の時だから!」
「それでも十分バカだよ」
「むぅ…」
口をとがらせて頬を膨らます舞の怒り顔は小さい頃から変わらない癖。
たぶん、小さい頃から変わらないってのも、これが癖だってことも、知ってる奴は俺くらい。
仕事人間で滅多に帰ってこない舞の両親に代わって、ずっとそばにいる俺だから知ってること。
出来るなら、これから先も俺だけが知っていたい。
俺がずっとそばにいたい。
でも…