こっち向けよ
なんて…、
───…
「愁は舞ちゃんととっても仲がいいのね~」
俺たちが生まれる前から仲のいい舞の両親と俺の両親。
毎日舞はウチに遊びに来ていた。
俺たちが小さい頃は舞の両親は今ほど忙しくなく、朝ウチに預けて夕方に迎えに来られるほど時間に余裕があった。
それは、舞の父方の祖父がまだ社長として働いていたからだ。
社長である舞の祖父が仕事をほとんど引き受けてくれていた。
舞の家は、デカい会社だ。
鶴見財閥って言ったな。
とにかくすげー偉い人の孫が舞だ。
それ故に、俺はずっと苦しみ続けている。