こっち向けよ
「ねえ…愁?」
「なに?」
顔を上げた舞と至近距離で見つめ合う…
「もし…」
ピーンポーン…
家に響いたチャイムに舞の言葉は止まる。
ピーンポーン…
「はー、う"!?」
返事をしようと口を開いたら舞の手が塞いできた。
口と一緒に目も塞がれ軽くパニクる俺。
「う"ー!」
「しぃ!!」
塞いでいた片方の手を離したかと思えば人差し指を立てて口に当てた。
なんでだよ!
客だぞ、客!!!
ピーンポーン…
また鳴ってるし。