こっち向けよ
ふとテレビの上にかけられた壁掛け時計に目を向けた。
短い針は、6を過ぎて
長い針は、1を指そうとしてる。
少し早いけど夕飯食べるか。
舞に声をかけようとしてはたと気付き、舞の首筋から手をどかす。
「ま、舞。早いけど夕飯作って食べるぞ…」
「あぁ…うん。」
夢の中に落ちそうだったらしく、反応が少し鈍かった。
これならまぁ…大丈夫か。
「なに食べたい?」
「オムライスがいいな…」
「ん。ちょっと待ってろ」
ソファに舞を残してカウンターキッチンへ向かう。
卵と鶏肉…あと人参玉葱(タマネギ)くらいはあるな…
チラッとカウンター越しに見えるリビングには、恐らくぐったり寄っ掛かっている舞の頭がソファからちょこんと出ている。
自然と口角が上がった。
絶対美味い飯作ってやろ…