ギフト!
第1章
始めの朝
突然だが、私には野望……というか目的がある。
その目的を果たすため、わざわざ高校二年から今日、この学校に転校してきた。
【私立富川高等学校】
生徒それぞれの個性を生かし、
各自の得意分野を更に掘り下げ、
かつ充実した進路を目指す新設校……
と、拝見したパンフレットには書いてあったはずだが…
校門の前に立って登校中の生徒を見やれば、
髪の毛をピンクに染めている者、
ネイルアートをほどこした長い爪を持つ者、
中にはパジャマのまま登校して来た者もいる。
「ひどい有り様だね…」
個性を生かし過ぎて、逆に残念だ。
まあ、理事長もこれはさすがにひどいと思ったから私をここによこしたんだろうが。