ギフト!
「……」
「……」
はぁあああ……
理事長室の前で裕一郎が派手にため息をついた。
「……どうだい、裕一郎。彼らを引き込むのは大変そうかね?」
大変だったら嫌だな、と思いながら裕一郎に問う。
「うん…とっても」
と、もうすでに疲れきった様子で裕一郎が答えた。
大変なのか、とちょっと嫌になって、理事長に渡された書類をペラペラとめくる。
「まあ、私は裕一郎と同じクラスのようだからそれで手を打とうかね」
私は呟くようにポツリとこぼした。
すると裕一郎はパッと顔を私の方に向け、嬉しそうに笑う。
かわいいやつめ。
「ホント!?雅ちゃんと一緒のクラスかぁ、嬉しいなあっ……って、そ、そう言えば…」
最初は花が咲いたような笑顔だったのに、裕一郎の顔色がどんどん悪くなっていっている。
「ウチのクラスに、いるんだ…」
「なにがだい」
裕一郎がそこまで恐れるものがいるのか、2年6組には。
だが返ってきた答えは意外なものだった。
「いるんだよ…!ファイブスギフトが僕以外にもう1人!」