ギフト!
そんな彼女のことをどうして好きになったのかはもう昔のことすぎて覚えてないけど、
長い間一緒に過ごしてきて分かったことがある。
彼女自身、羞恥心もあまりないのか、人の目も気にせずとんでもないことをやらかしたりするんだ。
だから今回も、人前で大胆な行動をしないようにと釘を差したんだけど…
果たしてそれの効果はあったのか。
分からないけど雅ちゃんを信じるしかない!
期待を込めた目で雅ちゃんの方を見ると、先生が彼女に席の場所を教えているところだった。
「じゃぁ、渡瀬の席は――…って、おい?」
カツカツカツ
雅ちゃんが先生の説明の最中に歩き出した。
ちょ、ちょっと雅ちゃん、何してるの!?
「お、おい、渡瀬。お前の席はそいつの隣じゃなくて…」
「君がウワサの……えぇと、何と言ったかな?」
先生が戸惑いながらも声をかけるのを無視して、雅ちゃんは足を動かした。
そして目的の人物の前まで来ると、いきなり話しかけたのだ。
もう!雅ちゃんのバカ、検討してみるって言ってたのに!!
僕がそんなことを考えている間にも、話はどんどん進んでいく。
「……俺に何の用かな、渡瀬さん?」
「ああ、そうだ。前田 透馬くん、だったかね?
君、生徒会に入らないかい?」
あぁ……もう、雅ちゃんなんて知らない……。