ギフト!





「……―渡瀬さん、ちょっと来て」



「ああ、いいよ」





前田くんが据えかねたように席を立ち、雅ちゃんがその後に続く。



……同じファイブスギフトだから分かることだけど…



マズいかも知れない。




「っ、ちょっと待ってよ!どこ行くのさ前田くん!」



僕は思わず立ち上がって雅ちゃんと教室を出て行こうとする前田くんを引き止める。



彼は表向きは爽やかスポーツ少年で通っているけど
その実すごく短気だ。




―――雅ちゃんが危ないかも





周りがなんだかキャーキャー騒がしいけど、今はそれどころじゃない。



「……安心してよ、君が思うようなことは何もしないから」



前田くんが僕に爽やかなキラキラ笑顔を向ける。


嘘くさいよ、その笑顔。



そう言ってやりたかったけど、僕が話し始める前に先生が怒鳴った。



「お前ら、堂々とサボる気かコラぁ!!」



「ぅえ!?す、すいませんサボりません!!」



僕は反射的に謝ってしまった。



しかし前田くんは先生の怒鳴り声などものともしなかったようで、雅ちゃんを引っ張って行ってしまった。



あああああっ、僕のバカヤロー…!!



雅ちゃん、どうか無事で……っ!




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