ギフト!
とりあえず、彼の親切な忠告に耳を傾けることにした。
「自分で言うのもなんだけど、俺ら5人は学校の誇りなワケ。
あんまヘタに手ぇ出そうとしてっと……」
痛い目見るよ?
彼はまた爽やかな笑みをたたえ、そうささやいた。
「……前向きに検討するとするよ」
「それって遠回しな断り文句だって知ってて使ってるよな?」
にっこり笑って言う透馬くん。
なんだい、嫌み合戦かい?
なら負けるわけにはいかないね。
「もちろん、知っているとも」
私もにっこり笑って言った。
すると、透馬くんは驚いたように目を少し見開いて、息を詰まらせた。
「っ、おまえ――……」
透馬くん何かを言おうとした時、
「雅ちゃんっ!?」
裕一郎の声が辺りに響いた。
「ハァ、ハァ…!前田くん…、雅ちゃんから、離れて」
息を整えながら静かにこちらへ歩み寄ってくる裕一郎。
その顔は、近年稀(まれ)に見る大層怒った顔だった。
それを見ながら私は、
もうホームルーム終わったのか、早いね。
とか
今日、裕一郎が息を切らしているのを見るのは3回目だな。
とか考えていた。