ギフト!
「っ…雅ちゃん、何か変なことされてない?大丈夫?」
私をより強く抱きしめ、そう問いかけてくる裕一郎。
心無しか、その腕も声も、少し震えているようだった。
「ごめんね、雅ちゃん、ごめん…!僕が先生を振り切ってでもついてきてたらよかったのに…っ!」
裕一郎の声からは、ものすごく後悔していることが読み取れた。
確かに睨まれはしたが、別に私はそんな怖い思いもしてない。
それに透馬くん自身、最初からただの忠告のつもりだったんだろう。
変な雰囲気は感じられなかった。
それに、私には裕一郎がここまで必死になる理由が分からなかった。
そりゃ幼なじみが壁ドンされていたら驚くだろうが、そこまで怒ることもないだろうに。
私が思うよりずっと、裕一郎は独占欲が強いのかも知れない。
小さい頃に比べて大分たくましくなった裕一郎の背中に手を置き、あやすようにトントンとゆるく叩いた。
「何をそんなに必死になっているんだい?心配せずとも、私は彼に何もされていないから安心したまえ」
「……ホント?」
未だ半信半疑な裕一郎の様子に、思わずクスリと笑いそうになってしまった。