再生ゲーム
 るいは上乗りになり、細い首を両手で掴む。五本の指に力が入った。


「お前はなぜ暴力や暴言に屈しない? 暴力で体を許した僕は間抜けとでも言うのか! 綾!」


――苦しい……どうしたのるい? 私の力じゃ解けない――。


「お前まで僕を馬鹿にするの? 僕達、味方同士じゃなかったのか? ……苦しいだろ? 僕の苦しみが分かる? ――僕のモノになれよ!」


るいの親指が喉元へと、再度力が加わり、ジリジリと食い込んでくる。


るいの手首を掻き毟る。爪の間に皮膚が挟まり、血の感触が伝わる。だが止むことはなく裏腹に手首に力が加わった。


――私は死ぬんだろうか?


木々の葉がカサカサと揺れ擦れる。穏やかな音が鼓膜に届いた。
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