再生ゲーム
 彼女はパツンパツンとした白い頬に、ピンク色のチークを浮かべ


「皆さんが応援してくれるのならば、断る理由はありません」とあっさりと、部長の地位を手に入れた。


拍子抜けをした。人と話すことさえ苦手な彼女が、まさか申し出を引き受けるとは。


この時、なにがなんでも裏で手を回し、部長という地位からも、そして美術部さえからも、追い出すべきだったのだ。


人はなぜ、あらゆる選択をつきつけられ、こうも当たり、はずれが多いんだろうか?


いわば俺はきっと大凶を引き当ててしまったんだ。
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