再生ゲーム
 部屋の赤い絨毯に這いつくばって眼を凝らし、髪の毛を探した。欲しいものは、簡単に手に入った。


りんは母の髪の毛をどうやって手に入れたんだろうか? 


疑問符が頭に浮かぶが、すぐに自分の部屋に戻り、椅子に座る。持ち運びができるコンパクトな裁縫道具を、机から引っ張り出した。


「くぅーん」


ゲームは私を止めているの? もう無理なんだよ。


本立てにある無地のノートを掴み、小さく破った。ピンクの桜模様のペン立てから油性ペンを取り出す。書かれた文字は『山田鈴華・死』
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