再生ゲーム
 残された、たいして美味しくもない香ばしいお菓子は、私と彼女の胃袋へ大量に入る破目になってしまった。


次第に家庭でも口論が増えた。夕飯を必ず残すようになってしまった私に、見かねた妻が文句を言うようになったのだ。


私が残した夕飯は妻の胃袋へ入り、見る見ると太りだした。一方、彼女もブクブクと肥えていき、細く分厚い上瞼が目玉を圧迫していた。


――私にも我慢の限界はある。


「コンクールが間近に迫っている。絵を完成させなさい。差し入れはもうしなくていい。

皆、困っているんだ。気持ちだけで十分だから、作品作りに専念しなさい」
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