再生ゲーム
 そう思った矢先だった。彼女は、まだ描き途中の絵を破り捨てた。部員達は、彼女から出た黒い気迫に生唾を飲んだ。


――センセイ。ワタシノモデルニナッテ? オネガイ。


私は戸惑った。即答で断りたかった。


――センセイノエナラ、コンテストニマニアウ。オネガイ。


顧問として穏便に済ますには、その願いを聞き入れるしかない。ここで断ってしまったら彼女は益々虐められてしまう。


……コンテストまでの短い期間だ。覚悟を決め、その申し出を受け入れた。
< 207 / 724 >

この作品をシェア

pagetop