再生ゲーム
「どうしたの? 綾ちゃん、そっちは文具でしょう? ペットショップはあっちじゃない? 

……ぽっちゃりで団子鼻、あの黒髪ショートヘア、栗田さんに何か似てるわね? ちょっと笑っちゃう」


「娘だからね。聡子だよ」


「そうだったの? いっけなーい、今の内緒よ? お友達なら挨拶してきたら? 待っているから」


「隣にいる長身の狐目の女、あいつは面倒な奴だから嫌」


「確かに聡子さん、なんだか困っているようね?」


立花麻美。両親がヤンキー上がりだからか、髪の毛が金髪。長い髪をなびかせ細く釣り上がった狐目で、クラスメイトを睨みつける。


「クラスで威張りくさっているし、なにかと嫌なの。早く行こう!」


「ちょっと待って! あれ」


聡子は言われるままバックの中に、人気キャラクターギルティちゃんのボールペン、シャーペンなどを放り込んでいた。


嫌々に見えたが、何が起きてるのかは分からなかった。


「あらぁー……栗田さんの家って大変そうね? うふっ。黙っていてあげようね? さぁ行きましょう?」


――この女、今笑っていなかったか?


私には友達なんて、1人もいない……聡子なんてどうでもいい。


そして、心に悪を植えつける学校が大嫌いだ。


やがてはその芽が開花し、大人になれば本物の悪を知る。序章の様なものだから。
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