再生ゲーム
 その夜。玄関を開けると、朋子が飛び出してきた。


見てはいけないと思いつつも、俺の携帯電話をチェックし、収められていた写メールを見てしまったそうだ。


気味の悪い写真を見た朋子は、怯えながらも、浮気をしていないと信じ、胸に飛び込み泣きついてきた。


そっと頭を撫で家の中に入り、今日の経緯を全部伝えた。朋子は、やっと安心しきったように涙を拭い、夕飯の支度を開始した。


よっぽど心が解放されたんだろう。キッチンからは、鼻歌まで聞こえてきた。綾も楽しそうな母親を見て、嬉しそうにキャキャっと微笑んだ。


この日、嫌がらせは一切無かった。久々に熟睡し、朝目覚めると体調が良く、清々しかった。
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