再生ゲーム
 辞めた途端、スッと憑き物が落ちたように全身が軽くなった。暫くは鷹見、井上の顔がちらついたが、担任にまかせたんだからと、気持ちを切り替えた。


身勝手だとは思うが、井上の蛇のような絡みつく視線や行動からは逃げ出したかった。


1人づつ部屋を持てる一戸建て。朋子や綾は凄く喜んでくれた。これで良かったんだ……


しかし、またこの様な渦中に巻き込まれてしまうのか? 世の中、常に分からないものだ。


念には念を、石橋を何度も、何度も叩いて渡るように、証拠はいつまでも残しておこう。


まだ耳に残る。


――センセイ、センセイと。 
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