再生ゲーム
「誰だっけ、あの担任……そうそう、山吹先生って駄目よねー! 全然、葉月の気持ちが分からないの。でも先生って所詮そんなものよねぇ。

はいどうぞ、海老の殻を剥いてあげたよ。あーんして、はい、あーんっ」


俺は言われるまま、口に身を銜えた。甘海老よりも歯ごたえがあって、カクテルソースにマッチした。


「所詮か……そうだなぁ。クラスメイト全員の心を把握するのは難しいな」


ばつが悪そうに、ボトルを手に取りワインを注いだ。


「担任でもない山田先生の方が、葉月の心を分かっていたでしょう? 葉月だけじゃなく、問題を置いて逃げたんでしょう? 引越しまでするとは思わなかったなー」


「責めているのか? それとも酔ったのか? まあいい。どんどん飲みなさい」
< 297 / 724 >

この作品をシェア

pagetop