再生ゲーム
「突っかかるなよ」


――プルルルル……


携帯が震えている。鞄から取り出し、チェックした。


「りんから?」


「遅くなるって言ったんだけどな……早く帰って来てだってさ。そろそろ出ようか? りんと綾が旨くいっていないみたいでさ、空気が悪いんだ」


画面を見つめ呟くと、りりかが携帯を掴み、真剣にゆっくりと訴えた。


「りんは奥さんから貴方を奪った……私だって好きだった。奥さんがいたからこそ、気持ちを押し殺してきたのに、りんが掻っ攫っていった。

凄く悔しかったのよ? なんで私に気づいてくれないのって。あの時もそうだった――ワインを開けるまで、もう少し付き合ってよ」
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