再生ゲーム

「綾。もうお母さんと比べるのは止すんだ。いい加減忘れないと。あいつの良い所に目を向けてやってくれないか？」


「そんなの無理だよ！　比べちゃうよ……そうだ、りんさん本当は、人の事なんて言えないんだよ。

昼間って暇じゃない？　昨日だって、男の人から何度も電話が掛かってきたよ」


「まさか嘘だぁ。やきもち妬きのりんが？」


お父さん、無理やり笑おうとしてもバレバレだよ。やっと私に興味を持ってくれた？


「信じないんだ？　そうだよね、きっと着信履歴なんて、とっくに消しているだろうし。身内の私の方が信用されないなんて笑えるよね」


「……綾」


まるでドラマで見た、仕事と私、どっちを取るのと詰め寄られた男みたい。