再生ゲーム
「お父さん、私先に行くわ」


傷ついた面持ちを作り、小走りに先へと歩いた。


少しは堪えてくれたかな? それにしても父親が、りんを庇う姿は見ていて気分が悪くなる。あんな女、顔が良いだけじゃん。絶対化けの皮を剥いでやる! 


足元の小石に気持ちをぶつけ、蹴飛ばした。


「おはよう綾、機嫌が悪いの?」


「あ、おはよう……るい」


辺りは気まずい雰囲気に、一変して包まれる。あの忌々しい記憶が蘇った。


私はこの人に首を絞められたんだった。いまだに信じられない。るいがそんな事をするなんて。
< 312 / 724 >

この作品をシェア

pagetop