再生ゲーム
「あーうるさい! この糞犬! 黙れ!」


りんは両手に握り締めていた、ガラクタの携帯を二つ、ゲームに力強く投げつけた。


「ギャンギャン!!!! クゥ~ン」


「なにをするのよ! 私のゲームに!」


命中し私の胸へと逃げ飛び込んだゲームは、プルプルと体を震わせている。


チワワは元々、臆病な犬でもある。その分、感受性も豊かだ。なにかを察知したんだろうか?


傷のついた背骨を撫でてあげ、怒りが段々と込み上げてきた。反面、見たこともない狂気の沙汰に恐怖もあった。


「りん、ゲームは我が家の大事な犬だぞ! なんてことをするんだ! お前変だぞ? 綾、部屋へ行ってなさい」


「う、うん……」
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