再生ゲーム
 空気を乱さぬよう、がっつきたい食べ物にも気を使い、少しづつ口に入れた。


2人とも怖い……けど私だって、負けてない。キライ、キライ、キライ! 大人なんて大嫌い!


「携帯は新しいのを買ってきた。お前、その間にりりかに何をした?」


「私はなにもしていないわ。妻としての役割をしていただけ。貴方、お腹が空いたでしょう? まずは御飯を召し上がったら? 今準備をしますから」


りんは、まだ平静を装っていた。詰め寄る夫に、平然と良くできる。


「そんな飯、食えるかよ。いいか? 人には言いたくない事だってあるだろう? それをお前は全てをこじ開けようとする。なぜだ?

彼女は母子家庭で、普段は強気な部分を見せているが本当は弱い人間なんだ。それを追い詰めて、どうしようというんだよ」


「うるさい!」


サラダにドレッシングを入れ始めたりんは、それを聞いて牛丼一つを父に投げつけた。
< 396 / 724 >

この作品をシェア

pagetop