再生ゲーム
「綾……ごめん。りん、もう止めてくれ。全部俺が悪かったよ。携帯も新品だし、りりかの番号を入れなきゃいいんだろう? それで勘弁してくれよ……もう家庭を乱されるのはごめんだ」


――お父さんは……なぜ、いつも飲み込もうとする? 全てを。


立ち向かっても、結局受け入れてしまうのならば、逃げた母親の時と一緒じゃない。それは善意じゃない。悪意よ!


「お父さん! ちゃんと現実を見てよ。聡子のお母さんが今日家に来た……


聡子のお父さんが遊びに来てないかと確認しに来たのよ!


あやふやに聞いてきたけど、浮気してるか覗きに来たんじゃないの?」


振り絞った声を出した。これが届かないなら、もう……駄目だ。
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