再生ゲーム
「なになになにぃ~? 聞こえない振りをしてんのぉ~? これは、お仕置きなんだよぉ~? ちゃんと耳を傾けなさい!」


猿田は両手首を掴みあげ、無理やり両耳から、手の平を離した。


「や、止めてよ、先生」


「君は早く家に帰っても、母親は毎日のように出かけている。仕事なのか? はたまた、客と遊んでいるのか? 真実から目を背け、君は生きている……悲しいよねぇ。


脳味噌が狂った親父は、なにも教えてくれないもんなぁ? そもそも思考回路がおかしい、寝たきりのジジィだもんなぁ……先生が教えてあげるよ? あの母親の本性を」


両手を掴んだまま離さない。強烈な口臭が俺を襲う。それだけじゃなく、曜子への思いも蝕んでいく……母への感謝の気持ちまで――。


――コワレル、コワレル、コワレル、コワレテシマウ。
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