再生ゲーム
「先生は何でも知っていると言ったじゃないか？　授業中は順応にしてなくっちゃねぇ？　あまりにうるさいと皆に言っちゃうよ？

皆のアイドルるい君は、実は男に犯されてるってね。大好きな山田さんには知られたくないだろう？」


るいは鞄を手に取り、教室から出て行こうとした。


――るいが怯えている。


「……静かにするよ。もういいだろ？　話は済んだだろう」


「ああ、どうぞー？　大人しくすると約束するならば、僕は何も言わないよ。

あーそうそう、君のお母さんのお口。小さくて締まりがいいね。また指名しようかな？」


「母を汚すな！」


――ビシャン!!!!


扉のガラスが壊れてしまうかと思うほど、強い力でドアが閉められた。近くに居た私は身体がビクリと反応をし、涙が頬を伝った。


そして、るいは全速力で下駄箱へ、早く学校の外へと駆け出した。


追って大丈夫かな？　余計に傷つけてしまうんじゃないかな？　


でも……やっぱり、ほっとけない。


るいの後姿を猛ダッシュで追いかけた。その背中は、はかなくとても悲しげで、胸が息苦しくなった。


この時に、初めてるいを男として意識した。
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