再生ゲーム
「秋山と、少し話がしたかったの。ここを早く出ましょう? 猿田に見つかったら嫌だから」


「分かった。それは賛成」


意外と小さく、弱々しい体。


――ムカツク奴だけど、やっぱり麻美は女だな……。


悪いと思い、肩に体を預けるのは止めた。尻をかばい、ズルズルと足を滑らせる。


「大丈夫そう? 下駄箱から靴を出すから、ちょっと待って」


無言で差し出された靴を乱暴に履いた。


曜子と敵対していた麻美が、俺に一体なんの用件があるって言うんだ……。


「あまり人通りのない、あっちの道から行きましょう?」


「……ああ」
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