再生ゲーム
「……」


「ちょっと、無言でさっさと行かないでよ!

……そう。そういう風に、もう私の事は構わないで。

あの先生は怖いよ。何をされるか分からないから」


「腕を掴むなよ。僕、汚いだろ? もう触らないほうがいいよ」


「るいは汚くないってば! 私だけが本当のるいを知っている! 光栄だよ!」


一瞬何が起こったのか、分からなかった。私は引寄せられ、るいの腕の中に居た。


――唇が暖かい。


それは二人のファーストキスだった。


キスの仕方など分からない。ただ唇が触れただけだった。


人の温もりを感じたのは久しぶりだった。両親に抱きしめられたのは何年前? 


私達は親の愛に飢えていたんだ。


そう思い始めたら、ぎゅっと抱きしめ返さずにはいられなかった。


「るいは汚くなんか無いよ……早く大人になって、家を出よう?」


るいは心地良さそうに、じっとしていた。人の体温って、こんなにも安心するものだったんだ……。


「貴方達! 何してるの?」
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