再生ゲーム
 家に入ると母親では無く、父親がソファーに座り、テレビを見ていた。


るいのお父さんも、格好良い男の人だった。


「お邪魔しまぁーす!」


奥のリビングに聞こえるように、声を出した。僕が一旦通されたのは、玄関横のキッチンだった。


「麦茶で良い? 今注ぐから、それ持って奥の部屋へ行こう?」


るいは薔薇模様のマグカップを、テーブルの上に2つ置き、冷蔵庫から透明のポットを取り出した。


「ごめんな、こんなコップしかなくって。母親の趣味なんだ」


キッチンを見渡すと、綺麗に整頓されていた。というより、あまり使われてないような、気もした。
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