再生ゲーム
「綾ちゃーん、夕御飯の用意が出来たわよ~!」


1階から、りんの大きな声が聞こえてくる。


「お父さんが帰って来たからだね。ゲーム、御飯だって。下へ行きましょ」


「ワンワン!」


パソコンをシャットダウンし、階段を下りる準備をする。


――少しだけ緊張した。


私だって、猿田は嫌いな人間だ。でも今は、好奇心のほうが勝っていた。驚く顔を見てみたい……。


ドアを開けると、慌てて着替え終えたお父さんも、扉を開けていた。


「お父さん、お帰りなさい」


「綾、ただいま!」


この前の事が、全部嘘のような笑顔だった。
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