再生ゲーム
「2人も早く座って! 拓也さんはビールで良い?」


りんは階段を下りてくる、2人の影を見つけ、声を掛けた。


「ああ、ビールで頼むよ……あれ? 1人前多くないかい?」


椅子を引き、座ろうとした父が気づく。


「あら、綾ちゃんから聞いてないの? お友達が来るんですって」


りんはプルタブを引っ張り、プシューと、心地の良い音を立てた。そのまま食卓へと、父の目の前にビールを置いた。


「お父さんには、まだ言ってなかったよね。ビックゲストが来るよ~。うちに興味があるんだって」


私もゆっくりと椅子を引き、深く腰を掛けた。まだかなぁーと、テーブルの下で足を上下にブラブラさせる。


「じゃあ、酒飲んで待ってるか。そろそろ来るのか綾?」
< 510 / 724 >

この作品をシェア

pagetop