再生ゲーム
「そのはずだと思うけど……」


TVへに視線を向け、興味を他へと移した。心臓が高鳴ってしょうがない。


「私も飲んで待ってようかしら、ビール頂きますね」


今日のりんは精神が安定している。打って変わり、穏やかなくらいだ……先生を歓迎するくらいなんだから、動揺することなんてないし、逆に拍子抜けしちゃう結果かも知れないよね。


どっちにしろ、心拍数は上がりっぱなしだ。


――ピンポーン、ピンポーン


その時だった。ゴングとも取れる玄関のチャイムが、家に鳴り響く。


「あ、来たみたい……私が玄関の戸を開けて来るね、2人とも驚かないでよ~! ちょっと待っててね!」


りんとお父さんは、ビールに舌鼓を打ちながら、笑顔を作った。
< 511 / 724 >

この作品をシェア

pagetop