再生ゲーム
 鍵をあけ、扉を開くと案の定、猿田が立っていた。


「やあ、少し遅くなったねぇ~秋山の奴が、しぶとくってさぁー。でもちゃんと最後には、虐めないと約束したから安心してくれたまえ」


「そうなんだ……ありがとう先生」


猿田はニターっと笑い、頭を撫でた。同時に、もやっとした口臭で、ハンバーグの匂いを打ち消した。


「うっ!」


思わず口や鼻を、両手で塞ぐ。


「なんだよ、ちょっと汗を掻いたからかぁ? 急いで走って来たからなぁー?」


猿田は脇に鼻を近づけ、臭いをチェックしていた。


「そ、そんなことより、みんなが待っているから行きましょう……こっちです」
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