再生ゲーム
「まぁ拓也さんったら急に自信満々で……そんなハズがないじゃないですか、いますよ、お付き合いした人くらい。出会った男性の中で一番が、拓也さんなんです……彼は容姿だけじゃなく、とても優しい人なんです」


りんの頬は、薄っすらとピンク色を浮かべた。


猿田は、それが気に食わないようだった。ハイペースな飲み方がそれを物語っていた。


「……優しい。でも逆に、それは誰にでも優しいのかも知れませんよぉ~! 八方美人って言葉があるでしょう?」


口元がいやらしく上がった。


「ひどいなぁ~、猿田さん。酔っ払ったんですか? 失礼、ちょっとトイレに行ってきますね。酔いが回ったようだ」


父は、よろよろっと立ち上がると千鳥足でリビングから消えた。


「私、あいてるお皿片付けちゃいますね、お酒もう一本ありますから、テーブルにおいて置きますね」
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