再生ゲーム
 ドンっと一升瓶がテーブルに置かれ、りんは空いている食器を引寄せた。


後姿をこちらに見せ、水をジャージャーと流している。スポンジに洗剤をつけては、忙しなく腕が動いた。


猿田は、そっと立ち上がり、背後からりんの側に寄った。


私は、ニタニタと笑う先生が気持ち悪くて、眼を逸らしたかったが、それを止めた。


「りんさんも大変ですよねぇ~、かっこいい旦那さんだ。もてるし、浮気しても仕方ないですよねぇ~それを見逃してる貴方は、とっても寛大だ……僕が洗いますよ」


「ヒィ!」


スポンジを掴む手が、猿田に握り締められている。柔らかく包み込まれ、撫でられていた。


「だ、大丈夫です。私がやりますから、飲んでいて下さい……拓也さんも、もうそろそろ来ると思いますから」
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