再生ゲーム
「すみません、気をつけます……買い物に行きますので、これで」


会釈し、この場を去った。


本当は、こんな女に頭を下げるのも嫌だった。その度にプライドがズタズタに傷ついた。


腰のくびれ、豊満な胸、艶やかな髪の毛。細い足、しなやかな指。男が抱きたくなるような色白の肌。整った顔……私は拓也を手に入れるために努力してきた。今でもね。


でも貴方はどう? 


なにかを苦労し、常に向上心を持っているのかしら? 私にやきもちを妬く暇があったら、まずは同じ土俵に立てるぐらいの取り組みをすることね。


前の妻から拓也だけではなく、新築まで奪ったが、あんな隣近所がいるなんて、それだけが計算外だったわ……ああ、ついでにあの子供もね。
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