再生ゲーム
「そこの綺麗なお姉さーん、今日はマグロが安いよー! どう?」


「ふふっ、急いでるの。ごめんなさいね」


嫌な人間のことを考えていると、自然と足が早くなる。気づいたら、いつもの商店街を抜けようとしていた。


毎日の買い物は、駅前の大きなデパートと決めている。商店街で細々購入するより、1回で揃うマーケットの方が便利だった。


――あー毎日むしゃくしゃする。幸せな結婚をしたのに、なんなのよ! あのネックレス買っちゃおうかな。それもこれも美樹子や綾、りりかのせいよ!


私は少しだけ、買い物依存症に陥りそうになっていた。元々、ボディにも大量の投資をしてきたので、金遣いは荒い方だった。
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