再生ゲーム
「おはようございます。こちらのテーブルの方にどうぞ」


仕方なく、手の平で誘導した。


「いや、こっちのソファーで一緒に座りましょうよ。こんな風に休みの日には、毎回デートが出来たら良いなぁ~!」


デート? お金の話を聞きに来たんじゃないの……この男は、どれだけ勘違いすれば気がすむの?


「お隣さんだけあって、やっぱり家の造りが一緒ですね。そっちに立っていないで、ほら、こっちに座りましょう」


男は勝手にソファーに座り、ぽんぽんとクッションを叩いた。


――拓也さんが汚された気がした。


「自分の家より、こっちの方が落ち着くなぁ~。りんさん、早く座って、ついでにビールも頂いていいかなぁ?」
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