再生ゲーム
「今、手持ちがないだけで、力添えされるほど困ってません。もう少しで給料日ですから、ちゃんとその時にお返しします」


強めに言い放った。


「それは安心しました……あのアクセサリー、旦那に内緒の買い物でしょう? 拓也さんは知らないんじゃないの? 家庭に内緒で宝石を購入してるだなんて」


――確かに知らない。でも貴方に関係ないわ! なにが言いたいのあんた?


「拓也さんはちゃんと、し、知っているわ。栗田さんに心配される覚えはないです。さあ、話は終わりです。帰って下さい」


なるべく、ピリピリ感が出ないように穏やかな口調で言った。


「そんなに固いことを言うなよ!  ビールを空けるまで、もう少し良いだろう?」


男の口調も徐々に変化した。
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