再生ゲーム
「御飯代? それなら猿田先生に伝えておきますよ。今度から料金を払ってって」


カップスープを置き、フォークでレタスを乱暴に刺した。


「綾ちゃん。重要なのは、そこじゃないのよ。嫌なのよ、家の中を乱されるのは。頭の良い貴方は分かるでしょう?」


「知らないわよ! 自分で猿田先生に言えば良いじゃない!」


気分が悪くなり、フォークをテーブルに放り投げた。


「言える筈がないじゃない。綾ちゃんから、それとなく……」


「ごめん、今日は起きるのが遅かったな。頂きます……なんの話をしているんだ?」


洗顔を終えた父が、横からふらっと椅子に座った。


「拓也さん、暖かいスープ入れますね。猿田先生の話ですよ、来ないでって。それとなく言って欲しいという話」
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