再生ゲーム
「ほ、本当よ。りさ、ねぇ、信じて??」


刺激を与えないように、一歩づつ後退する。息を吸うのにも緊張が走った。


「私はそうやって、今まで散々騙されてきたの。身近な両親にもね・・・・・・曜子さんだけは優しく接してくれた。その曜子さんが嫌う貴方を、何故信じられるの?? 


曜子さんの生前の怨み、私がついでに晴らしてやる!!!! おりゃー!!!! 死ねええええ!!!!」


尖ったナイフが一直線に向かってくる。冷や汗が噴出し、足がガクガクと震えた。


「危ない綾!!!! どきなさい!!!!」


猿田が庇うように私の前に、立ちはだかった。私の視界からは何が起きたのか分からなかった。


ただただ、呆然とし、猿田の背中を見つめていた。それはまるで、時が止まったかのようだった。
< 570 / 724 >

この作品をシェア

pagetop