再生ゲーム
「惚けんじゃないわよ!!!! 女狐!! うちの夫と浮気しているだろ!? えっ!! 白状しなさいよ? 山田さん、気をつけたほうが良いわよ。この女、不倫してるわよ!」


背が低いので、一生懸命背筋を伸ばし、拳を作って訴えかけてくる。

――あの顔ったら……醜い豚女だわ。


「言い掛かりは止めて下さいよ。証拠はあるんですか?」


「ほら! 後ろをみなさいよ! 今あんた、私の顔を見て笑ったでしょ!?」


素早く私を人差し指で指した。


――太い芋虫のような指。全身醜いわ、このオバサン。


「栗田さーん、ご近所迷惑ですよ。落ち着いてください、私、笑ってなんかいないですよ」


「ふん! そんな戯言を言っていられるのも今のうちよ。夫のパソコンフォルダに貴方の画像があったのよ。あんたのホームページにも入り浸りだったみたいね!!!! 飛んだお笑い草よね。夫とあんた、二人で私のことを馬鹿にしてたんでしょう? 怖い女ね。隣近所の夫に手を出すなんて!!!!」 


栗田美樹子の顔が般若のように、眼も口元も釣り上がっていく。


――まさか……本当にばれてしまったの? 


「おい、栗田さんの言っていることは本当か? 画像って何の話だ?」


「分からないわ! 本当よ、拓也さん!」


拓也のパジャマをギュッと握り締め、しわを寄せた。


なんだか怖い。
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