再生ゲーム
 KEIの片手を優しく握り、胸元へ誘導した。


「なに? ここで? ああ、ブログに指がどうのこうのって書いてあったもんね。俺の指、太いよ? しかし本当にスタイル良いよね……フィットした洋服を着れるのも分かるよ」


もう片方の人差し指はグイグイとV字を広げる。

その度にこの男は、シワシワのブルドックのように、頬がいやらしく垂れた。


「触って良いの? 悪いね、お試しってことかな」


遠慮なくKEIは、ふくよかな谷間を目掛け、鷲掴みにした。


――簡単よー? こんな下種野郎を陥れるのなんか……


「調子に乗るんじゃないわよ! このハゲ男!!!!」


ポケットから出したボイスレコーダーをKEIに見せ、電源をストップさせた。


「ハゲって、おい、失礼な!!!!」


「きゃー!!!! この男、痴漢よ! 誰か来てぇー!!!! 店長の権力を使って触ってくるの!!!!」


「ちょ、ちょっと止めなさい! な、何を言ってるんだ!?」


胸元を触るKEIの片手を、放さないように力を入れた。


「調子に乗るなって言ってんの。これ以上変なことをしたら、地位や名誉だけじゃなく、このボイスレコーダーで家庭までも奪うわよ?」


足音がドタバタと、こちらへと集中する。


「ほら、この状況どうするの? 店長の地位も危ういけど? 誓いなさいよ! 糞男!!!!」
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