再生ゲーム
「ああ! ……りさですぅ」


「あんたこそ何してんだよ!」


教室に入り込んだりさに、麻美はきつく睨んだ。


江藤りさは、お嬢様の曜子派。貧乏で腰が低く、曜子に買って貰ったサファイヤのペンダントを大切そうに、胸にいつもぶら提げている。


殆ど同じ服ばかりの着こなしに、ペンダントの青い光は異様に際立った。


「忘れ物を取りに来ただけだよ。何してんの? あー! いーけないんだ! それ禁止令が出てるやつでしょ?」


「もう済んだとこだ。帰れよ! 曜子の犬!」 


美里も負けじと応戦した。


「酷い喋り方ね。曜子さんに聞かせられないわね! ただぁ……先生には内緒にしてあげるから、私にも見せてよ流行のやつ。

絶対に言わないからさ――ちょっとだけ興味があったんだよね」
< 63 / 724 >

この作品をシェア

pagetop