再生ゲーム
「りんさん、僕は綾が欲しいんだ。上手くやるよ。このカメラ、当分預かっていてもいいかな?」


りんは口角を吊り上げ、眼光が爛々と輝いた。


「どうぞ。私達の幸福の証を期待しているわ? さぁ、このお菓子とジュースを持って行きなさい」


「ありがとう」


両手でトレーをしっかりと持ち、階段に挑んだ。


僕の相手は綾じゃないと駄目なんだ。


他のクラスの女は、全員カスに見えたんだ。僕に群がる蝿にも見えた。


汚い昆虫。醜い家畜。綾だけはそこに咲く一輪の華。僕に合うのは君だけだ。


絶対に離さない。
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