再生ゲーム
「女の子なんだから当たり前じゃない」


不貞腐れる綾。学校では見せない表情だった。


「そんなに突っかからないで……ゲームは人懐っこいのかな? 昔チラッと見ただけだったから、それに比べれば随分大きくなったよ」


トレーを机に置き、ベットへ座った。するとゲームは膝の上に飛び乗ってきた。舌がもうちょっとで僕の顎に触れそうだ。純粋、無邪気な動物の笑顔。小さな頭をそっと撫でた。


「そうでもないよ? 人をちゃんと選んでるみたいよ? 動物には喋れない分、人の心が分かるように出来ているのかな?」


「……そうなのかな」


だとしたらゲームは馬鹿だ。ご主人様が襲われそうだっていうのに。それとも僕の他の気持ちを察しているの?
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