再生ゲーム
「るい今日はどうしたの? 私には近づかない方がいいって言ってるのに」


綾は勉強机の椅子に、深く腰掛け溜め息を吐いた。


「本当に心配だっただけだよ。曜子に続いて、りさだろう。知ってる? うちのクラス、他のクラスから何て言われてると思う? 死の教室だってさ。そりゃー猿田は死神みたいだけど一緒にされたくないよな」


「私、学校では孤立してるからそんな噂話知らなかった、そうなんだ。私のせいなのかな、やっぱり」


「せいって、思い当たる節あるの?」


綾は俯いた。瞳に陰りが宿る。


「良く分からないの……でも私の周りで人が死んでいくのは怖い」


「僕じゃ駄目? どんどん相談してよ! そんなに頼りにならない?」


「ううん。そういう訳じゃないけど……」


綾はオレンジジュースに口をつけ、誤魔化した。君の一つ一つの行動が、僕を傷つかせ、心を抉る。


「るい、いつの間にりんさんと仲良くなったの? 後ろから抱きしめられちゃって随分親しそう。りんが気になって来たの?」


急に思い立ったように言う綾。君は本当に掴めない。頭にいつも思い浮かぶのは誰なの?


「やきもち? 止めてくれよ。綾が好きだって言ってるでしょ。いつも側にいたい。悩み事なら打ち明けて? 多少は心が軽くなるかもよ」
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